実経験やネット、書籍などで得た、収録に関する知識やTips。
事前準備
情報収集
- 目的の列車について調べ、収録に適した位置を数候補選定する。
- ダイヤ・運行区間・入線時刻・車両・機器の位置・収録の障害となる設備・混雑状況、ドアの開く側などを調査。
- 始発・終着・途中駅とその周辺に、収録すべき音源がないかロケハン。
機材準備
- 記録メディアは中身を空にする・フォーマットする、バッテリーは満充電する。いずれも容量に十分な余裕をもつ。
- 貴重な収録では予備の機材を。
- 2式以上あると、異なるマイクポジションや長時間の収録にも都合が良い。
- 機器の向き不向き、電磁波干渉、機器固有の不具合などに備え、予備機は違う機種・メーカーで。
- 端子を磨く。プラグを回してもガリ音がしないように。
- ピカールで軽く磨くと、ガリ音が解消するが、金メッキが薄くなる。
- 歩きながら録れる様にしておくと、乗り降りの様子も録れる。編集無しに、場面の遷移を録れる。終着駅ですぐ降ろされてもブツ切れにならない。
- キャリーカートやキャリーバッグなどはマイクスタンド代わりになり、重いバッテリーも楽に運べるメリットがある。しかしビビリ音を発することがある。転がしながらの録音も困難。
- レコーダーによっては、設定が消えないよう、電池は長期保管時以外、常に入れておく。
- 不具合が見つかると解消までに時間を要しかねないので、早めにやる。もしくは常に整備しておく。
そのほかの準備・荷物など
- 服装・バッグなどは、物音がしないもの。
- 防寒着はレザー、ムートン(ベタ雪時不適)などを。写真もやるなら黒っぽいもの。
- ハンティング用のフィールドジャケットはその辺を考えて作られているらしい。
- 機材はウエストポーチ・ショルダーバッグなどにまとめると便利かも。
- ファスナー金具などは固定する。
- 輪ゴム・ヘアゴム・モール・熱収縮チューブなどが使える。色や使いやすさから、ヘアゴムを推奨。
- コットンのエコバッグは防音にもなるので、バッグの内収納によい。
- そのほか
- ノート・筆記用具
- 録音内容を細かく記録する。口述録音・カメラも併用。
- 軟質ビニル製の書類ケース
- 音を立てずに書類が読める。時刻・列車間取り・構内図などの書類を入れておく。
- チケットホルダー
- 切符の提示を求められた際に、音を立てずに提示できるように。
- デッキ収録時に不正乗車と思われない為にも。
- 両側クリップ
- マイクその他の固定に。車内などでは状況を考えて使用。
- 厚紙・ゴム片
- 窓などがガタついた時に、隙間に突っ込む。風の入口を塞ぐのに使う。
- 滑り止めシート
- 列車の振動でバッグが倒れないよう敷く、またはバッグの底に縫い付けておく。
- 機材の下に敷いたり、くるんだりするにもよい。
- 養生テープ・自己融着テープ
- ケーブルなどの固定や結束に。車内などでは状況を考えて使用。
- 粘着テープをマイクのそばに貼った場合、僅かでも剥れると莫大なノイズとして記録される。
- 輪ゴム
- テスター
- 虫除け対策
- 地上音収録時。人とマイク両方。録音中は手で追い払えず、じっとしていると蚊がどんどん集まる場合もあるので強力なものを。
- 長袖+長ズボン+防虫ネット付き帽子+蚊取り線香他。
- 機材用の雨具(タオル等)、機材用のカイロ、懐中電灯、密封ケース・乾燥剤、AMラジオ、無線機、ケーブルプロテクター、眠気防止剤、スノーシュー、アイゼン
録音当日・直前
- 電池やメディアは、パッケージから出しておく。
- 飲料は開栓し、ティッシュペーパーは袋から出しておく。
- 携帯電話・腕時計アラームはOFFに。
- 電源は早めに入れる。機材の冷えや結露に注意。
- レコーダーの設定項目の確認。
- 録音のテスト。自作マイクは壊れやすい。
- 可能なら、事前にフラット、ビビリ音、空調、音の具合、客足などを確認。最も音をよく拾えるスウィートスポットを見つける。
- 貫通扉を閉める。扇風機を止める。その他、窓、ブラインド(少し降ろしておくとガタつく恐れが少ない)、転回シート、床の空き缶……。
- 車両番号などの記録。
- やむを得ず録音途中で電池交換や機材の移動を行う場合、駅構内・車内放送中や加減速中は避けて行う。
メモ・備忘録・書きかけの内容
マイクセッティング
自然なステレオ感を得る為に
- ワンポイントマイクはカプセルの向き・間隔に制約がある。XYは至近距離だとステレオ感が出ないので、車内収録、特にモーターやエンジンを主体に録る場合は向かないかも。
- 単一指向性は近接効果あり(近距離で低音が増強される)
マイク位置
- 枯葉、雨粒のあたる音は大きく入りやすい。波には近づきすぎない。砂浜・岩場で音が違う。
- 地上音収録では、マイクの位置が低いほど吹かれにくいが、草の音が大きくなるかもしれない。
- 固い路面や壁の近くは反射音に注意。
- 電波塔近くはノイズが入りやすい? 索道(ロープウェイ)のモーターは山頂側にあるので注意(リフトは山麓側)。
風防について
- カゴを用いてマイクとジャーマーに間隔を設けると良いそうだが、風の当たる面積が増えて、かえって悪くなったと感じたことも。
- マイクの形状や風防によっては変な風切り音が生じたりすることも。
- ストッキング等を重ね着させると、風の強さに応じて調節できる。
- 車内でもロングシートは、ドア開時の風の吹き込み、貫通扉開時の風の通り抜けの影響がある。
その他
バイノーラルはスピーカー再生に向かないが、簡易バイノーラル(DSM)ならスピーカー・ヘッドホンともOK。
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無指向性 |
単一指向性 |
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吹かれに強い |
ハウリングやかぶりに強い |
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| 走行音 |
分解能△? 低音○ |
分解能◎、微妙な音を明瞭に捕らえる |
※方式はそれぞれAB・XY。比較条件が異なり正確性の保証はない |
| 車内放送 |
定位○ 聴感○ |
定位△ 聴感△ |
| ドア開閉音 |
聴感○ 低音○ |
聴感△ |
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AB |
MS |
XY |
ORTF |
NOS |
OSS |
ダミーヘッド |
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時間差方式 |
レベル差方式 |
レベル差方式 |
混合方式 |
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混合方式 |
混合方式 |
| マイク |
無指向性2本 |
単一指向性1本+双指向性1本 |
単一指向性2本 |
単一指向性2本、170mm間隔、110度 |
単一指向性2本、300mm間隔、90度 |
無指向性2本とJeklin Scheibe |
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| 音像定位 |
○ |
◎ |
◎ |
◎ |
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○ |
○ |
| 音像の距離感 |
◎ |
△ |
△ |
○ |
|
○ |
○ |
| 周波数特性 |
◎ |
○ |
○ |
○ |
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△ |
△ |
| 中抜けのしにくさ |
|
○ |
△ |
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| モノとのコンパチビリティ |
△ |
◎ |
◎ |
○ |
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○ |
○ |
| ヘッドホン受聴 |
○ |
○ |
○ |
○ |
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◎ |
◎ |
参考文献
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